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例文で学ぶ!話題のニュースで英語学習《視力の弱い人を救う最新技術-後編-》

海外のニュースで英語を学ぼう

話題のニュースから英文を抜粋

このシリーズでは、話題のトピックに関するニュース記事から英文をピックアップし、そこに登場する単語文法事項を学んでいきます。

また、英語を学ぶだけでなく、今話題となっているニュースに関する新しい情報知見も紹介していきます。

 

今回は、前回に引き続きIrisVisionというヘッドセット型視力補助デバイスについての記事から、英文を学んでいきたいと思います。

IrisVisionがどのように視力を補助するのか、またIrisVisionに出資する投資家の話など、興味深い内容になっています。

前編
例文で学ぶ!話題のニュースで英語学習《視力の弱い人を救う最新技術-前編-》

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WordsとGrammarで解説

このシリーズでは、抜粋された英文を、WordsGrammarに分けて解説しています。

特にGrammarでは、それらの英文を、文の構成要素ごとに色分けして解説しています。

主語(S)=黄色、動詞(V)=青色、目的語(O)=ピンク色、補語(C)=紫色、副詞・副詞句/節(M)=(括弧)

英文を読む際に、単語を繋げて何となく読み進めていないでしょうか?

文の構造が掴めていないと、自分では正しく理解していると思っていても、実際には意味を取り違えていることがあります。

そういった誤読を減らすために、このGrammarの項では、複雑な英文をその構成要素別に色分けし、その文章構造を把握しやすくしてあります。

もし、上で挙げた文の構成要素(主語、動詞など)があやふやな時は、こちらの記事を読んでみてください。

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今日の英語ニュース

出典

The New York Times

"Technology Bridges the Gap to Better Sight"

Written by Janet Morrissey, July 14 2020

記事の概要

IrisVisionというヘッドセット型の視力補強装置が注目を集めています。

IrisVisionは、スマートホンとVRの機能を使い視力を補うヘッドセットで、すでに販売されており、コロナウイルスの影響で使用者がさらに増えています。

2年以内には、視力を補うだけでなく、眼の健康状態をチェックしたり、視力を測ったり遠隔で治療を行なったりすることができるように、開発が進められています。

約30万円という値段や、大きくて見た目が良くないなど、普及させるためには、改善が必要とされています。

しかし、その開発に投資する会社や団体も多く、今後の改良、進化が期待されています。

 

英語学習センテンス

英文1 VRによって視界を再現する仕組み

IrisVision helps the brain use parts of the eyes that still function properly.

The smartphone’s camera captures an image, and then the virtual reality, or V.R., headset and algorithms enhance the image by providing enough information to fill in the gaps and remap the scene to provide a complete picture.

Words

enhance[ɪnˈhæns](他動):(質や価値を)(さらに)高める

fill in 〜:〜を塞ぐ、埋める、満たす

remap[riˈmæp](他動):〜を再構築する、〜地図を描き直す

Grammar

IrisVision helps the brain use parts of the eyes《that still function properly》.

S V O C (M)

✅「help+人+V(原形)」で『(人)が〜するのを助ける』という意味ですが、この「help」の用法を文型で見ると、S V(help) O Cの第5文型です。

第5文型の特徴として、OとCの間にイコールの関係、もしくは主語と述語の関係が成り立ちます。

この英文は後者の、主語(the brain)と述語(use)の関係になっています。

✅《that 〜》は「parts of eyes」を修飾する関係代名詞節です。

🧐 訳例を見る

IrisVisionは、眼の正常に機能している部分を、脳が使えるようにサポートする。

 

The smartphone’s camera captures an image, and then the virtual reality, or V.R., headset and algorithms enhance the image (by providing enough information) 《to fill in the gaps and remap the scene to provide a complete picture》.

S V O C (M)

✅《》内の「to fill in  〜」は「information」を修飾する不定詞の形容詞的用法です。
また、その後の「to provide 〜」は「fill in」と「remap」を修飾しており、こちらは副詞的に用いられています。

ポイント

このような名称は覚える必要はありませんが、英文の中でそれぞれの語句がどのような働きをしているかを理解することは大切です。

🧐 訳例を見る

スマートホンのカメラが映像を捉え、その映像を、V.R.ヘッドセットとアルゴリズムが、必要な情報をもとに途切れている部分を補足、再構築することで、完全な映像へと、その質を高めていく。

 

参考

最近では、このIrisVisionで、ニュースや天気予報へのアクセス、YouTubeやテレビ番組の視聴も可能になりました。

 

英文2 かつてAmazonやGoogleに出資した投資家が、約3億円をIrisVisionに投資

IrisVision has the backing of Brook Byers, who invested in 2017 and has since pumped more than $3 million into the company. Mr. Byers, a senior partner and a co-founder at Kleiner Perkins, a venture capital firm that invested early in Amazon, Google and Twitter, has retinal issues in one eye stemming from an accident when he was 11.

Words

backing[ˈbækɪŋ](名):後援者、支持

pump A into B:AをBに注入する、注ぎ込む

retinal[ˈretənəl](形):網膜の

stem from 〜:〜に由来する、起因する

Grammar

⑴ IrisVision has the backing of Brook Byers,《who invested in 2017 and has since pumped more than $3 million into the company》.

S V O C (M)

✅「, who invested in 〜」の文章は、関係代名詞の非制限用法というものですね。

先行詞が今回の「Brook Byers」のように固有名詞の場合、必ず非制限用法を使います。

✅《》内の「since」は、『それ以来』という意味の副詞として使われています。

🧐 訳例を見る

IrisVisionはBrook Byersの後援を受けているのだが、Brook Byersは2017年に投資して以来、300万ドル(約3億円)以上をIrisVisionに注ぎ込んでいる。

 

Mr. Byers, 1[a senior partner and a co-founder at Kleiner Perkins], 2[a venture capital firm that invested early in Amazon, Google and Twitter], has retinal issues (in one eye) 《stemming from an accident when he was 11》.

S V O C (M)

✅同格のカンマが多用されている文ですね。

同格のカンマは、その直前と直後の名詞を「=」の意味で繋げる働きがあります。1[]は「Mr. Byers」と同格になっており、2[]は「Kleiner Perkins」と同格になっています。

✅「a senior partner and a co-founder at Kleiner Perkins」の「at」について見ていきたいと思います。ここは「of」ではいけないのでしょうか。

とても細かいニュアンスの問題ですが、結論として、ここは「of」よりも「at」が適切です。

「at」とすると、Kleiner Perkinsには、他にも「a senior partner(共同経営者)」や「co-founder(共同創設者)」がいて、そのうちの1人というような、少し控えめの意味になります。

逆に「of」には所有の意味があるので、「Kleiner Perkins」との強い関係性を示唆し、『唯一の、他に同じ役職のものはいない』という意味を持ちます。

この場合「a senior partner」や「co-founder」とあり、他にも同じ役職の人がいるようなので「at」が使われています。

✅《stemming from 〜》は、「retinal issues」を修飾する形容詞句です。

🧐 訳例を見る

かつてGoogle、Amazon、Twitterに出資した投資会社Kleiner Perkinsの共同経営者であり共同創設者のByers氏は、11歳の頃の事故に起因する網膜の障害を片目に患っている。

 

参考

Mr. ByersはIrisVisionの今後の進化に特に期待しています。

IrisVisionの次回作は、視力の検査や、症状の診断がリモートで行えるようになるそうです。

また2年以内には、リモートで眼の治療も行えるようにするための開発が進んでいます。

 

英文3 視力の回復は、人生を取り戻すこと

“The great value of this device isn’t that it simply restores vision,” Dr. Werblin said. “But it brings people back to life.”

Words

restore[rɪˈstɔɚ](他動):〜を復元する、取り戻す

bring 〜 back to life:〜を生き返らせる

Grammar

The great value of this device isn’t that it simply restores vision,” Dr. Werblin said. “But [that] it [also] brings people back to life.

S V O C (M)

✅2文に分かれていますが、もともと1つの台詞が分けられているだけなので、1つの文として考えてみましょう。

すると「not only A but (also) B(AだけでなくBも)」の形と類似した構造になっています。分かりやすいように、後半の部分に[that]と[also]を補っておきました。

上のAとBに当たる部分がそれぞれ、接続詞「that」で導かれる名詞節になっています。また、その名詞節内の「simply」が「only」と同様の働きをしています。

🧐 訳例を見る

「この装置の大きな価値は、単に視力を補うことだけでなく、人々に生きる希望を与えるということでもある。」とDr. Werblinは言った。

 

参考

IrisVision以外にもたくさんの会社が、VRを使用したヘッドセットを開発していおり、それぞれ違った特徴を持っています。一概にどのメーカーのものが優れているということでなく、使う人の年齢や症状などによって、合う合わないがあるということです。

 

IrisVisionに関する記事はここまでです。

お疲れ様でした。

ご精読ありがとうございました。

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