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洋書レビュー【漫画・アメコミで英語学習】Charles Forsman著『I Am Not Okay With This. 』

衝撃を受けた作品『I'm Not Okay With This.』

今回は、僕が強く衝撃を受けたアメリカの漫画(Graphic Novel)を1つ紹介したいと思います。

それは『I'm Not Okay With This.』(Charles Forsman著)という作品です。

この作品の持つメッセージや、内省的で繊細な描写が素晴らしいと思ったので、今回紹介記事を書きました。

また、英語学習のための教材として優れた点も解説していきたいと思います。

作品紹介

『I Am Not Okay With This.』

著者:Charles Forsman

出版社:Fantagraphics Books社

ジャンル:Graphic Novel (漫画)

2020年1月に初出版され、同年に2月にはNetflixでドラマ化もされています。

アマゾンでKindle版、ペーパーバック版ともに購入することができます。

作中には性や暴力に関する強い描写が含まれています。

あらすじ

Sydneyは15歳の白人の女の子。友達は少なく、家族との関係もあまり良くありません。

そんなSydneyには、誰にも言えない特殊な能力があります。その能力によって、Sydneyは周りの人に危害を加えてしまいます。そしてそのことが、Sydney自信をも苦しめています。しかし、それを誰にも打ち明けることができません。

ある時Sydneyは、スクールカウンセラーから、自制心を身に付けるために日記を書くように言われます。

しぶしぶ了解したSydneyは、その日記に、誰にも言えない自身の思いを書き留めていきます。

物語は、この日記を読み進める形で展開されていきます。

読後感(個人的な感想)

15歳の女の子が抱えているものの大きさ、重さにショックを受けました。子どもの言葉に耳を傾け、彼らの抱えているものを少しでも共有することの大切さを感じ、僕自信も親としてそういう姿勢でいたいと思いました。

シンプルな画ですが、描かれたSydneyの表情からは、その心情が痛いほど伝わってきます。

教師、子どもを持つ親にぜひ読んでもらいたい作品です。

英語学習に推薦する理由

リアルで飽きさせないストーリー展開

15歳の女の子の心の葛藤がとてもリアルに描かれており、物語に引き込まれます。

スパイダーマンやスーパーマンなどの超人ヒーロー物とは違ったアメリカの漫画文化を体験することができます。

1ページあたりの文字数が少ない

「文字数が多いものの方が勉強になる」と思う方もいるかもしれません。

しかし、何より大切なのは一冊を最後まで読み切ることです。読み切ることで、自信にもつながります。

そう考えた時に、この本は全体で170ページ程ありますが、1ページあたりの文字数が少ないので、そこまで苦労せず最後まで読み切ることができるでしょう。

文法がシンプルで読みやすい

15歳の女の子の日記という設定なので、小説やビジネス書のように複雑な文法が使われていません。そのためとても読みやすく、英語の文章に慣れていく過程で、とても効果的な本だと思います。

繰り返し読むことができ、語句や表現が定着しやすい

上で挙げたように、とにかく読みやすい本なので、繰り返し読むことができます。

繰り返し読むことで、語句や表現が自分の中に定着し、英語力がよりいっそう向上します。

若者言葉やスラング、日常会話で使える表現を学ぶことができる

語り手が15歳の女の子であることで、その年代特有のスラング言葉遣いが多く使われています。

また、漫画なので会話文が多く、日常会話で使える英語表現も豊富に含まれています。

作中に出てくる表現で日常的によく使われるものを、作中の文章と合わせて、いくつか載せておきます。

get along (with〜)『(〜と)関係が円滑である』

Mom and me have't been getting along lately.

have a crush on 〜『〜に惚れている、片思いをしている』

I think Stan kind of has a crush on me.

green around the gills『顔色が悪い』(gill=魚のえら)

You're looking a little green around the gills.

eat away at 〜『〜を徐々に侵食する、破壊する』

It ate away at him. He fought it so hard.(it=父親の心の病気)

Charles Forsman著『I'm Not Okay With This.』より

英語学習に効果的な読み方

読み方は人それぞれだと思います。

ここでは、あくまで1つの例として、僕の読み方を紹介しておきます。

繰り返し読む

僕は、この記事を書く前に2度読みました。

1度目は知らない語句にチェックをつけながら最後まで読み進めます。基本的に辞書は引きませんが、どうしても内容が理解できないと思ったら、その都度最小限必要な語句のみ調べます。

そして2度目で、チェックした語句の意味をひとつずつ調べながら読んでいきます。

ポイント

こうすることで、分からない語句を文脈から推測する力が養われます。ネイティブとの会話では知らない語句が飛び交うことも多々あり、その都度辞書を引くことはできません。そういった時に、この文脈から推測し理解する力がとても役に立ちます。

また読む際はできるだけ音読するように心掛けています。実際に口を動かし声に出すことで、身体で英語表現を覚えていきます

さらに、定期的に繰り返し読むことで、覚えた語句や表現がより確かなものとなっていくでしょう。

 

いかがでしたでしょうか。

この記事を通して、少しでもこの作品に興味を持ち、英語で読んでみたいと思って頂けたら幸いです。

ご精読ありがとうございました。

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