Listening

英語が聴き取れない?そこには必ず理由がある!大人のためのリスニング学習

ネイティブの英語をもっと理解したい!!と思い続けて、約7年。壁を超えるために。

留学当初、ネイティブの話す英語を聴き、僕は、その速さに愕然としました。

特にネイティブどうしの会話は、何を話しているのかほとんど理解できませんでした。

ネイティブの人たちとどこかへ出かけても、リスニングができないと自分の意見も言えないので、会話に参加できず、もどかしい思いもしました。

 

ニューヨークに7年住み、自分なりに英語学習を続けてきましたが、ネイティブの間で飛び交う英語を完璧に聴き取るのは、今でも苦労します。

 

いったいどうしたらいつになったら、このネイティブの英語が聴き取れるようになるんだろう。。

少し前までの僕は、そのことに途方に暮れ、英語を学ぶモチベーションが落ちてしまうこともありました。

 

しかし、ここ最近になり、学習を続けていけばネイティブの英語もきちんと聴き取れるようになる、という実感を持つことができるようになりました。

 

そう思えるのは、自分の中でなぜリスニングができないのか、どうやったらリスニングを伸ばせるのかということが、見えてきたからだと思います。

僕たちは、上手くいかない理由が分からない時に、目の前の壁をとてつもなく大きく感じてしまうものです。

 

そこで、この記事では、リスニングができないいろいろな理由について考え、できるようになるための学習方法を提示していきたいと思います。

皆さんが、自分なりのリスニング学習方法を発見し、成長を実感しながら英語学習を続けられるきっかけとなれば幸いです。

 

今の英語、なぜ聴き取れなかった??理由を考えよう!

注)ここで言う「聴き取れる」とは、「英語で話された内容をきちんと理解できる」と言う意味です!!

まずは、英語が聴き取れない理由を考えるために、聴き取れない時のパターンを、大きく2つのタイプに分けてみましょう。

<タイプA>字幕があれば、意味を理解できる
<タイプB>字幕を見ても、意味を理解できない

それでは、この2つのタイプについてもう少し掘り下げていきたいと思います。

 

<タイプA>字幕があれば、意味を理解できる

これは言い換えれば、語彙(フレーズ、慣用句を含む)や文法事項には、問題がないということです。では、なぜ聴き取れないのでしょうか?

<タイプA>の聴き取れない理由

理由1 語彙の発音を間違って覚えている

単語などの発音を間違って覚えていると、目で「読む」ことはできますが、正しく「発音」したり、「聴く」ことはできないですよね。これは特に母音で起こりやすい間違いです。

例えば、文字では『O』と書いてあるので、「」と発音すると思っていたら、実際には「」に近い発音だった、というようなことです。

 

例)ここでは簡単に以下の2つの例を見てみましょう。

Octopus→最初の『O』は「」ではなく、「」に近い発音です。(イギリス英語では「」に近い音です。)

Positive→『po』は口を縦に開いた「」、『si』は「ズィ」ではなく脱力した「」に近く、『ti』は「ティ」と「」の間の音で発音されます。

 

理由2 英語を話す時に生じる、音の変化に慣れていない

英語には、いろいろな音の変化のルール(習慣)が存在します。この音の変化に慣れることもリスニング上達の鍵となります。その1つの例として、リンキングというルールを見てましょう。

前後の単語と結び付き、音が変化する(リンキング)

書かれた英文では、単語と単語の間にスペース(空間)があります。しかし、いざその英文を話す際には、スペースが消え、文全体がまるでひとつの長い単語のように発音されます。そのため、単語それ自体の発音が、前後の音と結び付き、変化することがあります。

これも、語彙や文法は知っているのに、リスニングで苦戦する理由のひとつでしょう。

 

例)ネイティブのアメリカ人が左側の語句が発音すると、右側の語句を言っているように聴こえます。

hold on→whole Don(子音と母音のリンキング)

help Paul→help all(子音と子音のリンキング)

go out→go-wout(母音と母音のリンキング)

参考:Barron's社『Mastering American Accent』Lisa Mojsin著

 

理由3 話し手のアクセントや癖に慣れていない

英語は、世界中でたくさんの人に喋られています。そのため英語は英語でも、アクセント(方言、訛り)や喋り方の特徴も様々です。英語を第2外国語として学ぶ僕らからすると、不慣れなアクセントなどに遭遇すると、非常に聴き取りづらく、戸惑います。

ニューヨークで生活をしていて頻繁に出会うアクセントや話し方の違いを、簡単にですが、まとめてみました。

国や地域ごとのアクセントの違い

アメリカ英語イギリス英語オーストラリア英語ニュージーランド英語アイルランド英語などなど、英語が話される国は様々あり、それぞれ独特のアクセントがあります。自分が慣れていない地域のアクセントで話されると、ネイティブスピーカーであっても聴き取りづらいことがあります。

僕はニューヨークに7年ほど住んでいますが、不慣れなイギリス英語やオーストラリア英語を聴き取るのは、とても難しいと感じています。

 

人種ごとの話し方の違い

ヨーロッパ系アメリカ人アジア系アメリカ人アフリカ系アメリカ人インド系アメリカ人など、人種によっても英語の話し方に特徴があります。専門的なことは分りませんが、声帯や骨格、文化的背景による違いなのかもしれません。

 

年齢ごとの話し方、スピードの違い

少し前に20歳のネイティブの男の子と話していて、その話すスピードの速さにびっくりしました。また、言葉が短く省略されていたりと、話し方にも違いがあります。逆に高齢の方の英語は、丁寧で、比較的ゆっくりとしていて、聴きやすいと思うこともあります。

 

男女の音程の違い

アクセントや癖とは少し違うかもしれませんが、ニューヨークに来たばかりの頃は、女性の英語の方が聴き取りやすいなとよく感じていました。音程が高くて、クリアに聴こえていたんだと思います。逆に男性の英語は、音が低く、少しこもって聴こえ、聴き取りづらいなと感じていました。これは、比較的すぐ慣れることができる違いかもしれません。

 

<タイプB>字幕を見ても、意味を理解できない

これは、リスニング以前の問題とも言えるかもしれません。英語の文章を読み解く能力、語彙力文法力などが足りていないことが考えられます。もう少し細かく以下で見てみましょう。

<タイプB>の聴き取れない理由

理由1 単語、イディオムの意味を知らない

使われている語彙を知らない場合は、当然ながら、きちんと意味を理解して、英語を聴き取ることはできません

 

理由2 文法事項(文型、構文など)を知らない

文法事項が分からず、字幕を見ても内容を理解できないことがあります。話し言葉では、そこまで複雑な文法事項は多く登場しませんが、基礎的な文型や構文に関する知識がないと、内容を取り違えたり、もしくは、ざっくりとした内容しか把握できない、ということが起こります。

また頭で理解しているだけでは、リスニングはできません。その文型や構文に対して、何も考えずに反応が出来るくらいに慣れていないと、ネイティブの英語を瞬時に理解することは難しいです。

 

リスニング向上のための学習方法

<タイプA>の学習方法

学習方法→《理由1 語彙の発音を間違って覚えている》

単語やイディオムを調べる時に、必ず発音を確認して音読する

まずは音声が聴ける辞書を使いましょう。単語を調べる時には、その音声を聴きながら、発音記号を見て、何度も音読します。このようなプロセスを踏むことで、発音を間違って覚えるということは少なくなってくるでしょう。

正しく発音できるということは、正しく聴き取れるということにも繋がります。そして発音を理解するための鍵となるのが、発音記号です。

 

この発音記号(International Phonetic Alphabet)に関しては、こちらの記事で説明していますので、さらに詳しく知りたい方はチェックしてみてください!

オススメ
英語学習に必要な基礎知識(その1)発音記号『International Phonetic Alphabet : IPA』

なぜ発音記号について学ばなければならないのか きちんと習うことのない発音記号 皆さんが普段よく使う英和辞典、単語の隣に必ず書いてある発音記号。 あの発音記号は多くの場合、International P ...

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学習方法→《理由2 文中で使われた時に生じる音の変化に慣れていない》

音が変化するパターンについて学ぶ

英語の発音に関する参考書などで、これらの英語の音が変化するルールや習慣について、ひと通り学ぶことをオススメします。

僕のオススメの参考書は、こちらになります。

気になる方はチェックしてみてください!

Barron's社『Mastering American Accent』Lisa Mojsin著

 

シャドーイングで音の変化に慣れていく

*シャドーイングは、音声を聴くと同時に、それを一言一句違わず、声に出して読み上げるというトレーニング方法です。

リスニング教材などを使って学習する際に、リンキングなどの音の変化を意識しながら聴いてみると、新しい気づきがあると思います。何度かリスニングをした後で、シャドーイングをすると、それらの音の変化を体で覚えられ、リスニング力、さらにはスピーキング力の向上にも繋がります!

 

学習方法→《理由3 話し手のアクセントや癖に慣れていない》

目的に合わせて、リスニングの教材を選ぶ

留学先目的に応じて、教材を選びましょう。例えば、「アメリカに留学したいのに、イギリスのニュース番組ばかり観ている」というようなことは無いようにしましょう。

TOEICのリスニングはアメリカ、イギリス、オーストラリア英語が使われていていますが、どれもそこまできついアクセントではありません。なので、満遍なく、標準的な発音を学びたいという方には良いかもしれません。

もしニューヨークに留学したいという方であれば、ヨーロッパ系アメリカ人だけでなく、アフリカ系アメリカ人、アジア系アメリカ人のスピーチなど、いろいろな人種の英語を聴いておくと、実際に来た時に、戸惑いが少なくなるかもしれません。

オンライン英会話のCamblyにはいろいろな文化的背景のTutorがいます。また、好きな洋画やドラマでいろいろなタイプの英語にふれることも、勉強になるでしょう。

自分の目的や興味、関心に応じて、教材を選んでみてください。教材選びは英語学習の楽しみの1つです。自分だけのオリジナルの教材を発見すると、学習の意欲も湧いてきますよ!

 

いろいろな英語をとにかくたくさん聴く

大切なのは、とにかくたくさん聴いて慣れることです。ニューヨークに7年いる僕であっても、まだまだ経験が足りていないと感じています。そのくらい数をこなすということは大切なことだと言えるでしょう。できるだけ英語にふれている時間を増やし、「今、なんて言った??」という経験を積み上げていくことで、多種多様な英語のアクセントを聴き取れるようになっていくでしょう。

 

<タイプB>の学習方法

学習方法→《理由1 単語、イディオムの意味を知らない》

語彙を辞書で理解→シャドーイングで定着

リスニングしていて、分からない単語やイディオムに出会ったら、その都度、辞書で調べて、意味と発音を確認しましょう。辞書を使って、英文の意味を理解することができたら、その英文を何度もシャドーイングします。繰り返すことで、少しづつ記憶は定着していきます。

 

リーディングを繰り返し語彙を増やしていく

また、語彙が足りないと頻繁に感じている人の場合は、リーディングをすることも、語彙力の向上に繋がり、結果的にリスニング力の向上に繋がります。ただ、リーディングする際は、できるだけ音読できる環境で、分からない単語や言い回しは、繰り返し発音しながら、覚えていくようにしましょう。

 

学習方法→《理由2 文法事項(文型、構文など)を知らない》

文型や文法事項を参考書やインターネットで学ぶ

分からない文法事項に関しては、参考書を使用したり、最近ではインターネット上でたくさんの情報が共有されているので、そこを通じて学ぶこともできます。文法を調べて、英文の内容が理解できたら、その英文を聴きながら何度もシャドーイングをしましょう。シャドーイングを通して、その英文の構造を、頭で覚えるだけでなく、体に定着させていきます。

 

リーディングで英語の文章の形に慣れる

リーディングは文法を学ぶのに最適です。そのため、文法事項に自信がないという人は、リーディングで、英語の文型や、いろいろな文の形に慣れることをオススメします。リスニングでも、リーディングでも英語の文章の形は同じです。ある程度のレベルでリーディングができなければ、きちんとリスニングをすることはできません。リーディングで英語の文法力を高め、それをリスニングに活かしていきましょう。

 

英語の文法の中でも、基礎中の基礎である「文型」に関しては、こちらの記事で紹介しているので、参考にしてみてください。

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まとめ

リスニングができない理由→学習方法

<タイプA>字幕を見れば、意味を理解できる

理由1 語彙の発音を間違って覚えている

→辞書を引く時に必ず発音を確認して、音読する癖をつける

理由2 英語を話す時に生じる音の変化に慣れていない

→⑴音が変化するパターンについて参考書などで学ぶ

→⑵シャドーイングで音の変化を体で覚えていく

理由3 話し手のアクセントに慣れていない

→⑴自分の目的にあったリスニング教材を選ぶ

→⑵様々な人が喋る英語を、たくさん聴く

 

<タイプB>字幕を見ても、意味を理解できない

理由1 単語イディオムの意味を知らない

→⑴語彙を辞書で理解→シャドーイングで定着

→⑵リーディングで語彙を増やす

理由2 文法事項(文型、構文など)を知らない

→⑴文法事項を参考書インターネットで学ぶ

→⑵リーディングで英語の文章の形に慣れる

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