英語と日本語では、リズム感が大きく違う
「英語と日本語の最大の違いとはいったい何なのだろうか。」
このことについて僕なりに考えてみました。
発音、文法などたくさん違いはありますが、根本的に違うのは、言語としてのリズムではないでしょうか。
そして、英語のリズムを生み出しているものとは、シラブル(Syllable)という概念であり、音の強弱や長短であると僕は考えています。
例えば日本語で「おはよう」と言う際には、「お」「は」「よ」「う」という4つの音は、基本的には、全て均等に発音されます。
しかし、英語で『hello』と言う場合は、最初の『hel』よりも後半の『lo』が強調されて読まれます(文脈によって例外あり)。
このように、英語の単語内には、必ず1カ所強調されて読まれる部分があり、決して均等には発音されません。
そして上の『hello』を『hel』と『lo』に分けたように、単語をもっとも小さい音のまとまりに分けたものをシラブル(Syllable)と呼びます。
既に、本題に入ってしまいました 笑
ちょっとややこしく感じる人もいるかもしれませんが、シラブル(Syllable)を知って勉強するのと知らないで勉強するのでは、英語力、特にリスニングやスピーキングの伸びが違ってくると僕は考えています。
これから英語をもう一度基礎から学び直そうと思っている人
英文の音読が苦手な人
英語に苦手意識がある人
このような人たちには、ぜひ一読して頂ければと思います。
この記事が皆さんの英語学習の助けになれば幸いです。
目次
シラブル(Syllable)を学ぼう!
シラブル(Syllable)とは何か?
シラブル(Syllable)とは1つの単語のがもつ音節のこと。1音節は、1つの母音、もしくは1つの母音と1つ以上の子音から成る。また、このシラブル(Syllables)の強弱によって、英語のリズムが生まれる。
言葉で書くと、とてもややこしいですね。
例を出して考えましょう。
"banana"という単語で考えましょう。
この単語のシラブルの数は3つです。(1つの母音と子音で構成される音節が3つあります。)
→ba-nan-a
これがシラブルです。なんとなく理解できれば、とりあえずここでは大丈夫です。
何よりこの後が一番大切です!!
英単語には必ず1箇所、強く発音するシラブルがあります。
(これをStressed Syllable と言います。)
"banana"の場合は真ん中のシラブル(nan)がStressed Syllableです。
それ以外のシラブル(baとa)はUnstressed Syllableと呼ばれます。
Stressed Syllableはより大きく、長く、高い音程で発音されます。
Unstressed Syllableは、短く、とてもあっさりと発音されます。
そしてこのStressed SyllableとUnstressed Syllableによって生み出される、音の強弱、長短、高低などによって、英語のリズムは作られています。
つまり、それぞれの単語のStressed SyllableとUnstressed Syllableが理解できていないと、英語のリズムを身に付けることはできないのです。
シラブル(Syllable)を意識して学習するメリット
喋る英語にリズムが生まれる。
上で説明したように、シラブル(Syllable)を理解し、
どこがStressed Syllableで、どこがUnstressed Syllableなのかを考えながら単語や文章を学ぶことで、
英語のリズムが自然と身についていきます。
特にSpeakingでは、いわゆる「日本人英語」から脱出することができるようになると僕は考えています!
シラブル(Syllable)に着目した英語のリズム習得方法
1. 単語を調べる時には、必ずStressed Syllableをチェック!
学習方法
手順1 単語を調べる時に必ず、Stressed Syllableの位置をチェック!
手順2 そこを強調して、繰り返し発音!
例)
extravagant→[ex-trav-a-gant]
意味:浪費する、とっぴな
この単語の場合、シラブルは4つで、強調される部分は”ra”の部分となります。
なので、”ra”の音を、大きく長めに発音しましょう。
(多くの辞書では、強調される部分の前に「 ' 」のマークがついています。)
この要領で以下の2つの単語も練習してみましょう。
creature→[crea-ture]
意味:生き物、動物
attitude→[at-ti-tude]
意味:態度、姿勢
例文)
She is a creature of extravagant attitudes.(彼女はとっぴな態度をとる生き物だ。)
少し長めの単語が続いても、強調される部分が分かっていると、文章も読みやすくなるのではないでしょうか?
学習効果
1 長い単語が発音できるようになる!
Stressed Syllableを明確にすることによって、extravagantのようなシラブルがたくさんある単語でも、リズム感を持って発音することができます。
2 文章を読む時に、リズム感が出る!
Stressed Syllableを明確にすることによって、文章も、英語のリズム感を持って、読むことができます。
2. 英文をDaとdaの音だけで読んでみよう!
この学習方法は、僕の中学時代の英語の先生や、ニューヨークの演劇学校の発音の先生から教わった、英語のリズムを感じるための方法です。
すでに、英語を喋るのが得意という人には必要ないかもしれませんが、英語に苦手意識がある人や、英語を話すのが苦手という人は、やってみると効果的かもしれません。
それでは、例文を使って見てみましょう。
① You are filled with interesting curiosity. (あなたは素敵な好奇心で溢れていますね。)
手順1 この例文の単語をシラブルに分解して、それぞれの単語のStressed Syllableをマークします。(be動詞や前置詞、冠詞は文中で強調されることは少ないので、Unstressed Syllableとして扱います。)
② you are filled with in-ter-est-ing cu-ri-os-i-ty.
手順2 Stressed Syllablesは『Da』、Unstressed Syllables は『da』と置き換えて文章を書き換えます。
③ Da-da-Da-da-Da-da-da-da-da-da-Da-da-da.
Daは音を長めに大きく強調して、daはできるだけ弱く力を抜いて、発音します。
手順3 ③を、最初はゆっくり、スラスラ読めるまで繰り返し読んでみて下さい。リズムに慣れてきて、リズムに乗ってちょっと歌ってるような感じになってきたらOKです!
手順4 今度は②の文章見ながら、③のリズムを読みます。
手順5 ②の文章を、実際の単語で読みます。③のリズムを意識しながら、繰り返し読んでみましょう。最初は少し難しいかもしれませんが、リズムを強調した読み方で、慣れるまで読んでみて下さい。
手順6 この段階ではだいぶ大袈裟なリズム、抑揚がついているかと思います。なので、抑揚を少し控えめにして、①文章を読んでみましょう。また、この例文の場合は、「you」を少し弱めに読んであげると、より自然な発音になると思います。
どうでしょう。以上の手順を通して、何か違いを発見できましたか?
強調される部分がより明確になり、リズム感が生まれ、特に後半の部分が読みやすくなったのではないでしょうか。
まとめ
シラブル(Syllable)とは何か?
単語を構成する音節のこと。このシラブル(Syllable)の強弱によって英語のリズムが生み出される。
シラブル(Syllable)を意識して学習するメリット
リズム感を持って英語を喋ることができるようになる。(日本人英語からの脱却)
シラブル(Syllable)に着目した英語のリズム習得方法
1 単語を調べる時、喋る時に、Stressed SyllableとUnstressed Syllableを明確にする。
2 英文をDaとdaに置き換えてリズム読みをする。