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英語学習に必要な基礎知識(その3)5つの文型

文型は英語の基礎の基礎

英語の基礎力として必要なものとはいったい何なんだろうか。

アメリカで演劇を学び、生活して来たことを踏まえて考えてみると、いくつか必要な基礎知識が思い当たります。その内の1つが今回扱う、英語の「文型」です。

英語の文章を読む、英語を話す、書く、聴く、全ての能力において、「文型」の知識は必要です。

 

ただこの「文型」という考え方は、僕が中学や高校生の頃にはきちんと教えられていませんでした。

 

「文型」を知っているだけで、英語への理解が深まり、学習効率も高まります。

スピーキングライティングの質や自由度も高まります。

長く難しい文章もきちんと理解できるようになります。

また、TOEICでも「文型」の知識は、問題を解くのに、直接的に役立ちます。

 

これから英語を本格的に学びたいと思っている人、「文型」についてもう一度確認したいという人、英語学習に励んでいるが伸び悩んでいる人などが、この記事を読んで、少しでも日々の英語学習のプラスになる情報を得られれば幸いです。

 

英語の文型を学ぼう!

文型とは何か?

文型とは、基本的な英語の文の型、構造のこと。

この英語の文型は、その文を構成する要素の組み合わせによって、大きく5つに分類することができます。

 

英文を構成する要素とは

主語[S (Subject)]:文章の主体;「〜は/ が( I, you, he, she, they, etc...)」

動詞[V (Verb)]: 主体が行う動作; 「〜する(do, play, have, etc...)」、「〜である(am, is, are, etc...)」

目的語[O (Object)]:動作の目的;「〜を/に(me, you, him, her, them, etc...)」

補語[C (Complement)]:主語または目的語を意味的に補う。補語になり得るのは、名詞か形容詞。

副詞、副詞句/節:動詞や形容詞を意味的に補う;「〜(場所、時間など)に/で/から/まで/までに(at, from,by, in, on, here, there, etc...)」

*副詞、副詞句/節は文型を構成する要素ではないが、英文において、動詞や形容詞を修飾する(意味的に補う)付属的な要素と考えておきましょう。先生や参考書によっては、便宜上M(Modifier)として扱うこともあります。

 

5つの文型

第1文型)S  V

V(動詞)は、自動詞=『目的語がなくても文章として成立する動詞』(stay、live、do、go、stand、danceなど)

例)My brother  will stay  home.(homeは「家に」という副詞)

訳)私の兄弟は家に居るでしょう。

 

第2文型)S  V  C

C(補語)は、S(主語)を説明し、意味上はS=Cの関係が成り立つ。V(動詞)には、be動詞もしくは、becomeなどが使われる。

例)He  is  hungry. (He=hungry)

訳)彼はお腹が空いている。

例)My name  is  Tom. (My name=Tom)

訳)私の名前はトムです。

 

第3文型)S  V  O

V(動詞)は、他動詞=『目的語を必要とする動詞』(have、take、keep、choose、giveなど)

例)She  has  a pen.

訳)彼女はペンを持っている。

 

第4文型)S  V  O1  O2

O1には動作の対象となる「人(〜に)」、Oには動作の直接的な目的である「物事(〜を)」が入る。O1を間接目的語、O2を直接目的後と呼ぶこともできる。

例)He  gives  me  anything I want. (me=O1,  anything I want=O2)

訳)彼は、私に、欲しいものは何でも与えてくれる。

 

第5文型)S  V  O  C

C(補語)は、O(目的語)を説明し、意味上はO=Cの関係が成り立つ。

例)The story  makes  me  very sad. (me=very sad)

訳)その話は私をとても悲しい気持ちにした。

 

 

全て英文は、以上5つの文型のどれかに当てはめることができます!!

 

文型を学ぶメリット

長文でも情報を整理しながら、読めるようになる。

文型を使って、文章を整理できると、長文でも、きちんと意味を押さえながら読むことができるようになります。

ちょっと長くて、難しい例文を使って見てみましょう。

 

例文)

He was angry with himself for being young and the prey of restless foolish impulses, angry also with the change of fortune which was reshaping the world about him into a vision of squalor and insincerity.

("A Portrait of The Artist as A Young Man" James Joyce)

 

解説)

とても長く単語も難しい文章ですね。。。笑

しかし核となる文型は第2文型S V C)で、それ以外は意味の付け足し(副詞句)に過ぎません。これが分かると文章の構造が見えてきます。

"He was angry with〜, (he was) angry also with〜." つまり「彼は〜に怒っていた。」という内容の2つの文章が、カンマで繋がり1文になっています。

with以降は、彼が何に対して怒っていたのかを説明している副詞句です。なのでまとめてカッコで括ると分かりやすいと思います。

例文を整理してみましょう。

 

例文整理)

He was angry (with himselfA for being young and the prey of restless foolish impulses), angry (also with the change of fortuneB [which was reshaping the world about him into a vision of squalor and insincerity]).

"with"の直後は彼が怒りを感じていた対象です。"himself(A)"と"the change of fortune(B)"が対になっています。

*[ ]内は関係代名詞節で、"the change of fortune"を修飾しています。

 

訳例)

彼は、自分が若く、絶えず落ち着かず愚かな衝動に駆られていることについて、彼自身に対して怒りを感じると同時に、彼という存在を、酷くみすぼらしく、不誠実なものであるかのように変容させている財産の減少に対しても、怒りを感じていた。

 

 

この文章は長く、単語も言い回しもとても難解なので、訳せるかどうかは気にしないで下さい。

ただ、このように文型を使って文章を整理することで、文章の構造が整理され、意味の大枠を捉えることができます

1度文章の大枠を捉えることができれば、あとは知らない単語や熟語を調べることで、文章を理解することができます。

 

きちんとした英語を喋ることができる!

ネイティブの喋る英語は、ときどき凄くくだけていたり、適当に喋っているように聴こえます。

しかし、よく聞いてみると、しっかりとした文型、文法のルールに基づいて話していることが分かります。

 

つまり、きちんと正しい言葉の並びで、相手に理解される英語を話すには、文型を理解していることがとても重要で、それが、ネイティブの英語に近づくため基礎の基礎と言えるのではないでしょうか。

 

TOEIC Reading 特にPart 5は、文型を知っていると正答率が上がる!

文型を理解していることは、上でも紹介したように、文章を正しく読み解くための鍵でもあるため、

TOEICのReadingセクション全体で、とても役に立つでしょう。

 

しかし、特に役に立つのが、Part 5の文法問題です。

Part 5のいくつかの問題は、文型に精通していることで解ける問題があります。

実際に具体例で見てみましょう。

 

例題)(------) に入るものを下から選べ

Routine maintenance of equipment (------) improves workplace safety and efficiency.

(A) measure

(B) measurement

(C) measurable

(D) measurably

*ETS TOEIC 「公式TOEIC Listening&Reading問題集4」より

解説)

まず文章の文型を明らかにします。

"Routine maintenance of equipment"「定期的な装置のメンテナンス」

"improves" 「改良する、改善する」

"workplace safety and efficiency"「仕事場(作業場)の安全と効率」

こう見ると、

「定期的な装置のメンテナンス(主語)」は「仕事場(作業場)の安全と効率(目的語)」を「改良する、改善する(動詞)」

と解釈でき、S V O の第3文型が既に成り立っていることが分かります。

ここで問題文の文型が明らかになりました。

そして、挿入する語は、既に成り立っている文型を崩さず、意味を添える働きをする副詞であると考えられます。

すると答えは、必然的に副詞の"measurably"となります。ちなみに意味は「多少(驚くほどではない)」です。

 

例題は、問題文の文型を明らかにすることによって、正解を導き出すことができました。

そして、同じやり方で解ける問題が、Part 5には必ず出題されます。

 

このように、文型への理解を深めることは、TOEICの点数アップへ直結するのです!!

 

文型の知識を使った、効率的な英語学習方法

文型の核は動詞[V]!!動詞の性質を文型で押さえよう!

学習方法

動詞を辞書で調べる際には、意味だけでなく、その動詞の使われ方に着目します。

着目点1 その動詞が自動詞(transitive verb)なのか、他動詞(intransitive verb)なのか、もしくはそのどちらにもなり得るのか。

着目点2 他動詞であるならば、第4文型第5文型の文章でも使われるのかどうか。

着目点3 本文中では、その動詞はどの文型で使われているのかどうか。

以下例文で見ていきましょう。

 

例文)

Germany enacted a "producer pays" law in 1991.

ここではenactという動詞が分からないとしましょう。辞書でenactを調べます。

enact

1(法律を)制定する、規定する

2(劇、役)上演する、を演ずる

 

着目点1 自動詞か他動詞か

まず辞書内にある例文を見てみましょう。

1 We hope to enact this bill as soon as possible.(我々はこの法案をできるだけ早く制定することを望んでいる。)

2 enact a play (劇を上演する)

1と2の文章ともに、enactの後に目的語 [O](this bill、 a play)が続いています。このことから、enactは他動詞だと分かります。

*辞書によっては、きちんと他動詞か自動詞かを書いてくれている場合もあります。

 

着目点2 第4、第5文型でも使われるのか

他動詞の場合は、第4、第5文型の文章での使われる可能性があります。ただenactの場合は、辞書内の他の例文や意味などを見ても、それらの文型で使われていることはないようです。

 

着目点3 もとの文の文型は何か

最後に、例文の文型について考えます。

主語[S]=Germany、動詞[V]=enacted、目的語[O]="producer pays" law、副詞句[M]=in 1991 となるので、この文は第3文型となります。

 

これらのことから、enactという動詞は、他動詞で「(法律を)制定する」や「(劇、役を)上演する、演じる」という意味があり、第3文型で使われるということが分かりました。

 

学習効果

意味だけではなく、その動詞が実際にどう使われるかを整理して学ぶことができる。

スピーキングやライティングで使うことができる。

せっかく学んだ新しい動詞も自分で使えなければ、もったいないですよね。そのために、動詞を調べる際には、以上で説明したような点に着目して調べることをオススメします!

 

まとめ

文型とは何か

SVOCの要素で構成される5つの基本的な英文の型、構造。

文型を学習するメリット

学習メリット1:長文や難解な文章も、情報を整理しながら、正しい解釈で読むことができる

学習メリット2:正しい語順、文法で話すことができるようになる。

学習メリット3:TOEICのスコアが向上する。

文型を意識した英語学習方法

動詞の性質を文型で判断して、理解を深め、スピーキングやライティングなどあらゆる場面で使えるようにしていこう。

 

最後に一言!

英語の文章にふれる時は、常に文型を意識してみましょう!

 

 

 

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