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コメディーで英語とアメリカ文化を学ぼう!【It's Always Sunny in Philadelphia-S1E1】

日常の会話は文化や常識の上に成り立っている

日常会話で相手の言っていることを理解し、それについて自分も何か発言するためには、その会話の背景にある文化常識を知っていることが必要です。

日本人どうしで会話する時に「NHKの朝ドラ」と言われて、観たことはなくても「あ〜、うちのお婆ちゃんが毎朝観てるやつか」くらいのレベルで頭に浮かぶこと、これが文化です。会話というのは、こういう小さな文化の上に成り立つので、それを知らないと会話に入っていくことができません。

このことは当然英会話でも同じです。つまりアメリカ人の輪の中に入って会話したいのなら、英語力だけでなく、アメリカのテレビ番組や映画といった文化常識を知っておくことがとても大切ということです。

 

コメディーには文化が詰まっている

そして、そういった文化常識を学ぶための教材として、アメリカのコメディー(テレビ番組でも、Stand-up comedyでもOK)はとても優れています。なぜなら「笑い」には、それらが凝縮されているからです。

時事ネタ、その国の人の習慣、人種や歴史に関することなど様々な文化が、「笑い」には詰まっています。

 

英語学習者はコメディーを観よう!

英語を一生懸命学習している人には、コメディーをたくさん観てもらいたいです。

そして英語圏の文化常識を吸収して欲しいと思っています。

 

そこで、今回はアメリカで人気のコメディーショーの1シーンを取り上げ、皆さんと一緒にアメリカの文化を学んでいきたいと思います。

実際の映像はなく、会話のスクリプトのみなので少しわかりづらいかもしれませんが、俳優になって台本を読んでいるつもりで、想像力を働かせながら取り組んでもらえたらと思います。

この記事がきっかけで、本編の番組にも興味を持ってもらえたら、とても嬉しく思います。

 

『It's Always Sunny in Philadelphia.』

Dennis、Mac、Charlie、Dee(Dennisの 双子の姉)の4人の若者は、PhiladelphiaでIrish Pubのオーナー兼バーテンダーをしています。この4人のろくでなしがドタバタコメディを繰り広げていきます。

人種の問題などブラックジョークが満載で、アメリカ文化を少し違った視点で学ぶことができるので、英語学習者にもオススメ。

huluNetflixで視聴可能。Amazon Prime VideoYou Tube (Google Play)でも購入できます。

 

本日の学習

今回の教材は『It's always sunny in Philadelphia』のSeason1 Episode1の冒頭のシーンです。

Deeが連れて来たのは黒人のTerrell

Dennis, Mac, Charlieが仕事を終え、売り上げの計算をしていると、そこにDeeが現れ、「これから演技のクラスで知り合った男性が来るから、変なことしないでよ。」と伝えます。数分後、一人の黒人男性が店内に入って来ます。

Dennis : Hey, man, we're closed.

黒人男性 : Yeah, I know.

Mac : Whoa whoa, we don't want any trouble.

黒人男性 : What?

Dee : Guys, this is Terrell... From my acting class.

一瞬戸惑うDennis、Mac、Charlieの3人。

Mac : Yeah, yeah.

Dennis : Hey, man. How's it going?

Terrell : It's going good. How you doing?

Dennis : Good, man. We're just chilling.

Mac : Great, great. Just closing up the shop.

Terrell : Guess you guys don't have too many brothers walking through here.

Dennis : Oh, no, no...

Mac : we got plenty of brothers.

Dennis : Yeah, we got plenty.....African Americans.

Charlie : Yeah, African Americans.

Dee : Okay, we get it...

Mac : You might know some of them.

Terrell : Yeah.....We're probably related....

Dennis : I don't think he was implying that you guys are all related. That's ridiculous. Sweet Dee came in here just a second ago. She started talking about acting class. You know, we weren't expecting you...

Mac : We didn't expect you to be black.

 

解説【意外と知らないbrothersの意味】

それでは、始めから部分ごとに見ていきましょう。

Dennis : Hey, man, we're closed.

男 : Yeah, I know.

Mac : Whoa whoa, we don't want any trouble.

男 : What?

Dee : Guys, this is Terrell... From my acting class.

ここで3人はようやく彼がDeeの言っていた男性だと理解します。

Mac : Yeah, yeah.

Dennis : Hey, man. How's it going?

Terrell : It's going good. How you doing?

Dennis : Good, man. We're just chilling.

Mac : Great, great. Just closing up the shop.

「just chilling」で『(特に何もせず)リラックスしてる』といった意味になります。

黒人とあまり付き合いのない3人は若干緊張した様子です。ただ、Deeに「変なことしないでよ」と言われているので、平然を装っています。

Terrell : Guess you guys don't have too many brothers walking through here.

「brother」は『兄弟』という意味の他にも、よく使われる言葉です。近しい友人に対して「Hey, bro.」と使ったり、初対面でも気さくで友好的な雰囲気で、「Thanks, bro.」と言ったりします。

ただ、ここで使われている「brothers」はまた別のことを意味します。

ある文脈の中で、特に黒人が「brothers」と言った場合は、『黒人』を意味します。

この場合だと「黒人の客」という意味で理解して良いでしょう。意訳すると「あまり黒人の客はここに来ないみたいだね。」となります。

Mac, Charlie, Dennisもこの「brothers」の意味するところに少し戸惑います。

Dennis : Oh, no, no...

Mac : we got plenty of brothers.

Dennis : Yeah, we got plenty.....African Americans.

Charlie : Yeah, African Americans.

Dennisの「Oh, no, no...」には特に意味はありません。会話を繋げるための相打ちのようなものだと解釈して良いでしょう。

3人は「brothers」の意味を確認するように、「African Americans(黒人のことね)」と繰り返します。

Dee : Okay, we get it.

ここでの「we get it」という表現は、「African Americans」という言葉を繰り返す3人を制するように使われています。意訳すると『わかった、わかったから。(もう止めて。)』となります。

Mac : You might know some of them.

Terrell : Yeah....We're probably related....

Macのセリフで、場の雰囲気が凍りつきます。上で説明した通り、「brothers」はあくまで『(一般的な)黒人の客』を示すもので、『兄弟』という意味ではありません。それに対しこの台詞は、解釈の仕方によっては、黒人が全員血が繋がっているという偏見とも捉えられます。

Dennis : I don't think he was implying that you guys are all related. That's ridiculous. Sweet Dee came in here just a second ago. She started talking about acting class. You know, we weren't expecting you...

Mac : We didn't expect you to be black.

Dennisはなんとか話を変えて、Macのセリフをフォローしようとするのですが、ここでもMacが地雷を踏みます。

Dennisが「演技のクラスって言ってたから・・・」と濁したにも関わらず、Macは「黒人だと思ってなかった。」と言ってしまいます。

再び場が凍りついて、シーンが終わります。

 

ひと言

Mac、Dennis、Charlieの3人とも、無意識的に黒人に対して多少偏見を持っているようです。

ただ、3人とも黒人が嫌いという訳ではありません。

内気で素直な3人は、普段から黒人との付き合いが無く、どうコミュニケーションをとって良いかが分かりません。そして気付いたら「とんでもない発言」をしているというシーンです。文字で起こすと分かりづらいですが、3人のまごつく様子がリアルに描かれています。

アメリカの人種問題に関するの繊細な部分がコミカル表されていて、とても面白いなと思います。

 

今回はここまでとなります。

興味のある方は、ぜひ本編を観てみて下さい。

 

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