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New York(ニューヨーク)でミュージカルのオーディションを受けるための必需品【オーディションブック】

あなたのオーディションブックは大丈夫??

ニューヨークでミュージカルのオーディションを受けるために、俳優が必ず持っていないといけない物があります。

 

それが、レジュメヘッドショットオーディションブックです。

ニューヨークで活動をしたいと思っているミュージカル俳優は、まずこの3つを揃えなければなりません。

 

この記事では、特にオーディションブックについて詳しく解説していきます。

 

アメリカでミュージカル俳優として活動する上で、オーディションブックはとても重要です。

その出来次第で、自分が受けられるオーディションの幅が大きく左右されます。

 

また、オーディションブックの作成には、いくつかのルールがあります。

アメリカの大学や専門学校でミュージカルを学んだ俳優たちは、このオーディションブック作成のルールについても学んでいます。

一方で日本からアメリカにやって来た俳優が、このルールを知らずにオーディションを受けてしまうと、音楽監督や伴奏者に与える印象が悪くなってしまいます。

 

そこで、この記事では、オーディションブックの作成方法と注意点について詳しく解説していきます。

オーディションブックに関するルールや基準を全般的にカバーしているので、ここに書いてある内容を理解しておけば、かなり質の高いオーディションブックが作成できるはずです。

 

この記事を読んで頂いきたい人

これからニューヨークでミュージカルのオーディションを受けたいと思っている人

自分のオーディションブックが基準やルールを満たしているかチェックしたい人

 

レジュメとヘッドショットについて詳しく知りたい方はコチラ

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オーディションブック(Audition Book)とは何か

オーディションブック(ソングブック)とは、オーディションで歌うための曲を1冊のバインダーにまとめたものです。

ミュージカルのオーディションには、このオーディションブックを必ず持っていきます。

楽譜とバインダー

楽譜:横8.5×縦11インチ(通常のコピー用紙のサイズ)

バインダー:横10.5×縦11.5×厚さ1.5インチ(バインダーによって多少の誤差はあります)

楽譜はルーズリーフ型のクリアファイルに入れバインダーに収録します。

バインダーはリングが3つのものが主流です。

バインダーの色は特に決まりはありませんが、模様の付いていないシンプルなものを選びましょう。

 

多様なジャンルの曲を収録

オーディションブックには様々なジャンルのミュージカルナンバーを収録しておかなければなりません。

俳優は日々、いろいろなジャンルのミュージカルのオーディションを受けに行きます。

そして、それぞれのオーディションで、その作品のスタイルやジャンルに近い曲を、オーディションブックから選んで、歌わなければなりません。

そのため、多種多様なジャンル・スタイルの曲をオーディションブックに入れておくことが必要不可欠です。

ポイント

オーディションブックの1ページ目に目次(収録されている曲のタイトルと作品名、ジャンルを明記)を付けましょう。

→何か別の曲を歌ってほしいと言われた時に、この目次があると便利です。

 

オーディションカットの作成

オーディションでは、1曲まるまる歌うわけではありません。

オーディション用のカット(曲中から抜粋した16小節もしくは32小節)のみを歌います。

そのため、オーディションブックを作成する段階で、それぞれの曲のカットを決めておかなければなりません。

 

オーディションブック作成のポイント

ここからは、オーディションブックに収録するジャンル・スタイルについて、詳しく解説していきます。

さらに後半では、オーディションカットを決める際の注意点についても細かくチェックしていきます。

オーディションブックに必須!7つのジャンル

1 クラシックミュージカル
2 コンテンポラリミュージカル
3 1960〜1990のミュージカル
4 ポップ/ロックスタイルのミュージカル
5 ディズニーミュージカル
6 ジャズスタイルの曲
7 コメディーソング

 

ポイント

クラシックミュージカルとコンテンポラリーミュージカルの曲は、それぞれアップテンポとバラードを2曲ずつ揃えておく

→この計4曲で、おそらくオーディションの約7割は何とかなると思います。

オーディションブックに入っている曲数は、多くても10曲以内にする

→オーディションブックに入っている曲は、1つ1つしっかりと歌い込んでおき、いつでもで高いクオリティーで歌えるように仕上げておくことが必要不可欠です。

オーディションブックに収録している曲数が多すぎると、それぞれの曲を歌い込む時間が取れません。

そのため曲の仕上がりにムラが出てしまいます。

上で述べたジャンルを確実にカバーしつつ、できるだけ少ない曲数でオーディションブックを作れるように心掛けましょう。

ここからは、それぞれのジャンルについて詳しく解説し、作品や曲の具体例も紹介しておきます。

1 クラシックミュージカル

クラシックミュージカル(Classic musical theatre)は、1940〜1960年頃に上演されたミュージカル作品を指します。

この時期はミュージカルの黄金時代(The golden age of musical theatre)とも言われ、この頃生み出されたミュージカルは、現代でも、大小さまざまな舞台で公演が行われます。

オーディションで歌うように指示されることも多いため、必ず自分のソングブックに入れておきたいジャンルです。

『The Sound of Music』を生み出したRichard Rogers(作曲家)とOscar Hammerstein(作詞家)も、この時代に活躍しています。

代表的な作品

『Carousel』『South Pacific』『King and I』『Kiss Me, Kate』『Guys and Dolls』『My Fair Lady』『West Side Story』『Gypsy』など

2 コンテンポラリーミュージカル

コンテンポラリーミュージカル(Contemporary musical theatre)とは、一般的には1990年代以降に上演されたミュージカルを指します。

そのスタイルはポップ/ロック、フォーク、ゴスペル、ジャズなど様々です。

代表的な作品

『Songs for New World』『Ragtime』『The Producers』『Legally Blonde』『The Color Purple』『Urinetown』『Once』『Wicked』など

3 1960〜1990年のミュージカル

この時代のミュージカルは現在もBroadwayで上演されているものや、リバイバルされているものも多くあります。

ぜひ1〜2曲ほどレパートリーとして持っておきたいです。

代表的な作品

『Fiddler on the Roof』『Hair』『Jesus Christ Super Star』『Godspell』『A Chorus Line』『Pippin』『Cats』『Les Miserables』『The Phantom of the Opera』など

4 ポップ/ロックスタイルのミュージカル

ここ最近新たに上演されるミュージカルは、ポップ/ロックスタイルのものが非常に多くなっています。

それに伴い、オーディションで求められることも増えています。

また、自分の歌唱力、表現力の幅を養うためにも、このタイプの曲をレパートリーとしてを持っておくと良いでしょう。

代表的な作品

『Hair』『Godspell』『Little Shop of Horrors』『Rent』『Hedwig and the Angry Inch』『Aida』『Memphis』『Next to Normal』『Rock of Ages』『School of Rock』など

5 ディズニーミュージカル

ディズニーのミュージカル曲の中でも、特にAlan Menkenが作曲したものは、1曲で構わないので、オーディションブックに入れておくと良いでしょう。

Alan Menkenは、他にも『Little Shop of Horrors』『Sister Act』『A Christmas Carol』なども手がけており、彼の作曲した作品はミュージカル界の中に多く存在します

代表的な作品

『Beauty and the Beast』『The Hunchback of Notre Dame』『The Little Mermaid』『Aladdin』『Mary Poppins』『Newsies』など

6 ジャズスタイルの曲

その他にカバーしておきたいジャンルの1つが、ジャズスタイルのミュージカルナンバーです。

ジャズの曲調が用いられるミュージカル作品もとても多いので、ジャズ独特のリズム感やフィーリングも表現できるようにしておきたいですね。

代表的な作品

『Porgy and Beth』『City of Angels』『Chicago』『Anything Goes』など

7 コメディーソング

コメディー調のミュージカルソングも必ずオーディションブックに入れておくようにしましょう。

ディレクターから「何か全然違うタイプの曲を歌って」と言われた時に、バラードと真逆のオプションとして持っておくととても役に立ちます。

ここでは少しだけ曲例を挙げておきます。ぜひ、いろいろ探して、自分に合うものを見つけて下さい。

男性用

Mr. Cellophane『Chicago』、Dentist『Little Shop of Horrors』

女性用

The More You Ruv Someone『Avenue Q』、Not for the Life of Me『Thoroughly Modern Millie』

 

7つのジャンルを網羅した選曲の例

ここで参考までに、僕のオーディションブックに収録されている曲をリストアップしておきます。

またそれぞれの曲が、上記のどのジャンルに該当しているのかも記しておきます。

女性の方には参考にならないので、ここは飛ばしてください。

 

収録曲(全7曲)

Younger Than Spring Time『South Pacific』

→クラシックミュージカル(バラード)

All I Need Is The Girl『Gypsy』

→クラシックミュージカル(アップテンポ)

Run Away With Me『The Unauthorized Autobiography Of Samantha Brown』

→コンテンポラリーミュージカル(バラード)

I'm Alive『Next To Normal』

→コンテンポラリーミュジカル(アップテンポ)・ポップ/ロックミュージカル

Corner Of The Sky『Pippin』

→1960〜1990年のミュージカル

Out There『The Hunchback Of Notre Dame』

→ディズニーミュージカル

Mr. Cellophane『Chicago』

→ジャズスタイルの曲・コメディーソング

ポイント

1つの曲で複数のジャンルをカバーできると、曲数を少なく留めることができます。

自分のオーディションブックの足りない部分を強化するように努ることも大切です。

→僕のオーディションブックは、1960〜1990年のミュージカル曲が少し弱いので、そこを今後補っていきたいと思っています。

オーディションカットを決める際の注意点

カットの長さ

カットの長さ(16小節か32小節か)はオーディションによって異なります。

そのため、理想は16小節と32小節の2つのカットを用意しておくことです。

 

しかし、曲によってはそれが難しいこともあります。

その場合はどちらか可能な方だけ作っておきましょう。

小節数に捉われ過ぎない

オーディション主催者から16小節もしくは32小節を歌うように求められた場合でも、この小節数を厳密に守らなければならないという訳ではありません。

多少オーバーしたり、少なかったりしても大丈夫です。

 

長過ぎても印象は良くありませんが、短過ぎてもあなたの歌唱力や演技力を伝えきることができません。

長過ぎず、かつ自分の魅力を充分に表現できる、適切な長さのカットにすることがとても大切です。

楽譜は全ページ収録しておく

楽譜は、カットした部分だけでなく、曲の最初から最後までバインダーに収録しておきます。

 

オーディションでは、カット以外の部分を歌うように指示されることもありえます。

そのような状況に備えて、楽譜は全ページ、バインダーに入れておきます。

歌詞の意味を伝える

抜粋した16小節(32小節)で、きちんと聴き手側に歌詞のメッセージが伝わるように心掛けましょう。

 

ミュージカルでは、歌唱力と同時に、演技力(歌詞のメッセージを聴き手に届ける力)も重要な要素です。

カットしたせいで歌詞の意味がちんぷんかんぷんになってしまっては、その歌詞に感情を乗せて歌うことはできません。

 

しっかり感情を乗せて歌えるように、歌詞の意味を考えながカットを作りましょう。

曲の盛り上がりを見せる

オーディションカットには、曲中の盛り上がる部分を入れるようにしましょう。

 

音楽が盛り上がる部分は、感情も高まる部分です。

音楽と感情が高まっていく部分をしっかりと歌い、自分の歌唱力や演技力を惜しみなく発揮することが、オーディションでは大切です。

歌い出しはラクな部分から

歌い出しはオーディションにおいて最も大切で、緊張する部分です。

 

どんな状況でも余裕を持って、ラクに歌い出せるカットにしておくことで、オーディションでのミスを減らすことができます。

楽譜に印をつけておく

カットが決まったら、伴奏者が分かりやすいように楽譜に印をつけておきましょう。

印をつけるポイントは、伴奏を始める小節*、歌い終わる小節の2つのみで大丈夫です。

*伴奏を始めてから歌い出しまでのイントロダクションは、通常2〜4小節です。

ポイント

オーディションブックに入れる、楽譜は伴奏者が見やすいように、余計な書き込みがないようにします。

→練習用にいろいろ楽譜に書き込みをしたい場合は、楽譜を1セット余分にコピーして、そちらに書き込みましょう。

印は必ず鉛筆で付けるようにしましょう。

 

まとめ

オーディションブックとは

オーディションで歌う曲を1冊のバインダーにまとめたもの

オーディションブック作成のポイント

1ページ目に目次を付ける

数録曲は7つのジャンルを網羅する

→クラシックミュージカルとコンテンポラリーミュジカルは、それぞれ2曲ずつ入れておく(バラードとアップテンポ)

→曲数は多くなり過ぎない(7〜10曲)

それぞれの曲のオーディションカットを決める(16小節&32小節)

鉛筆で、楽譜に印をつけておく

 

ご精読ありがとうございました。

 

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