アメリカで役者として活動したいけど、英語が・・・
最近では、日本の芸能界でもハリウッドやブロードウェイに挑戦し、活躍する俳優が増えてきました。
おそらく、アメリカという大きな舞台で活動したいと思う俳優は、これからも続々と出て来るでしょう。
そして、その中には「アメリカで活動したいけど、英語に自信がない・・・・」という方も多くいるのではないでしょうか。
そこでこの記事では、「アメリカで役者として活動するための英語力」について、詳しく解説して行きたいと思います。
この記事の内容
アメリカで俳優として活躍するために必要な英語力
英語に自信がなくても、アメリカで俳優として活動するための方法
アメリカで俳優としてステップアップするための考え方
ミュージカル俳優、ダンサーとしてニューヨークで約7年間活動してきた自身の経験をもとに、できるだけ詳しく書いています。
こんな人に読んでもらいたい!
これからアメリカで活動したいと考えている役者の方
現在アメリカに役者として滞在しているが、英語に自信がなく、思うように活動できていない方
この記事が少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。
目次
アメリカで俳優として活躍するために必要な英語力
アメリカで俳優として活躍するために必要な英語力はいったい何なのか・・・・
まずは、僕が思う俳優に必要な英語力をリストアップしてみましょう。
俳優に必要な英語力
リーディング力
→ 初見の台本を読む・理解する
リスニング力
→ 相手のセリフを聴き取る
→ 監督の指示を理解する
→ 他の役者のアドリブを即座に理解する
スピーキング力
→ クリアな発音・自然なイントネーション
→ アドリブへの対応力
俳優の現場では、これら全てをネイティブと同レベルでやらなくてはなりません。
ここからは、それぞれの能力について詳しく解説を加えていきます。
リーディング力
当然、俳優は台本を読み、それを理解しなくてはなりません。
リーディング力(語彙力・読解力)は、俳優に必要不可欠です。
また、台本が配られたその場で、初見の読み合わせが行われることもあります。
この場合、初めて目にする台本をネイティブと同じスピードで読み進めながら、内容を理解し、かつ自分のセリフを言わないといけません。
知らない単語を調べている時間など一切ありません。
リスニング力
監督の指示をきちんと理解し、演技の中で実行することは、俳優の基本的な能力の1つです。
そのためには、高いリスニング力と理解力が必要になります。
また、質の高い演技をするためには、他の役者のセリフをきちんと聞いて、それに呼応するように演技をすることが大切です。
ここでも、リスニング力が必要になってきます。
さらに、本番中に突然アドリブで、台本に無いセリフを入れてくる役者もいます。
そのようなアドリブも即座に聴き取ることのできる高いリスニング力が必要です。
スピーキング力
自分のセリフを他の役者や、観客に伝えるためには、クリアな発音と自然なイントーネーションで喋れることが必須です。
また、他の役者がアドリブを入れた時に、それに対応するために、台本にないセリフをその場で自分で作って言わなくてはいけないこともあります。
これには非常に高度なスピーキング力が必要です。
さらに監督の中には、俳優に意見を求める人もいます。
そう言った時に、きちんと自分の意見を英語で言えることも大切です。
アメリカで俳優として活動する方法
以上のように見ていくと、俳優として活動するためには凄まじく高い英語力が必要だということが分かります。
そして、ノンネイティブの日本人がこのレベルの英語力に到達するには、英語の学習を本気で始めてから、少なくとも10年は掛かると思います。
僕も留学してもうすぐ8年が経ちますが、まだまだネイティブのレベルには遠く及びません。
では、僕のように英語力に自信のない日本人が、アメリカで俳優として活動していくためにはどうすれば良いのでしょうか?
ここからは、そのことについて詳しく考えてみたいと思います。
英語力が重視されない仕事を見つける
アメリカでは、数え切れないほどのプロダクションが日々俳優を探しています。
その中には、英語力が問われない仕事も存在します。
映像系のプロダクションでは、エキストラの仕事もあります。
また日本人という設定で英語を話す必要のない役もあります。
これらのような場合、英語力はほとんど重視されません
もし現在の自分の英語力に自信が持てないのであれば、そのような仕事に狙いを定めてオーディションを受けに行きましょう。
長期的な視点で努力を続ける
大切なことは、長期的な視点で考えることだと僕は思っています。
ネイティブ並もしくはネイティブに限りなく近い英語力を身につけるためには、長い時間を掛けて英語の学習と経験を積み重ねていくことが必要です。
アメリカに来て年数が浅い段階では、英語力が未熟なために、役をもらえないという経験を何度もすると思います。
大切なのは、そういった状況でも、ひたむきに自分にできる俳優としての活動と、英語学習を続けていくことではないでしょうか。
今は思うように俳優として活躍することはできていないかもしれませんが、5年後や10年後、その積み重ねが実を結ぶと僕は信じています。
俳優の仕事(英語難易度別)
最後に、あらゆるタイプの俳優の仕事を、英語難易度別にカテゴライズしてみました。
このようにカテゴライズすることで、現在の自分の立ち位置をより客観的に捉えやすくなると思います。
自分の立ち位置が見えてくると、今後の努力の方向性も見えてきます。
またオーディションを受ける際の基準として使って頂いても構いません。
英語難易度1⭐️
・エキストラ
・モデル
・日本語の吹き替え
・日本人もしくはアジア人*の役(英語のセリフは無し)
求められる英語力
監督の指示を理解することができるなど、最低限度のコミュニケーション能力
この段階で求められる英語力は、普段のアメリカで暮らす上で必要な英語力と大差はありません。
*「アジア人」と書いていますが、ここで意味する「アジア」は、日本とその周辺諸国を意味します。中東諸国やインドなどは身体的特徴が違うため、ここでは除外して考えています。
英語難易度2⭐️⭐️
・英語のセリフが少ない日本人、もしくはアジア人の役
求められる英語力
相手に伝わる発音・イントネーションで、たどたどしくても英語を話せるスピーキング力
英語の台本を読み、理解できるリーディング力
他の役者のセリフをきちんと聴き取れるリスニング力
この段階では、セリフを話さなければならないので、発音やイントネーションのトレーニングが必要になります。
また、台本を読みきちんと理解しなくてはならないので、普段からどれだけ英語の本を読んでいるかが試されます。
英語難易度3⭐️⭐️⭐️
・英語のセリフが多いアジア人、もしくはアジア系アメリカ人の役
求められる英語力
発音やイントネーションの訛りも少なく、かなり流暢に英語を話せるスピーキング力
英語の台本を読み、即座に内容を理解できるリーディング力
他の役者のアドリブを聞き逃さない高度なリスニング力
本気で英語を学習している人は、【難易度2】までは、比較的すんなりと到達できると思います。
しかし、この【難易度3】に到達するためには、ある程度長い年月が必要です。
ここに到達している人は、かなり高いレベルで自由に英語を扱える人です。
英語難易度4⭐️⭐️⭐️⭐️
・英語の吹き替え
・人種を問わない主役級の役
求められる英語力
発音・イントーネーション・流暢さ全てにおいてネイティブレベルのスピーキング力
ネイティブ並みの読解力とリスニング力
このレベルに到達している人は、ネイティブとほぼ同レベルで英語を扱える人です。
はっきり言って、ノンネイティブの日本人がこのレベルに到達するのは、もの凄く難しいと思います。
しかし、アメリカで俳優を目指すのであれば、ここに限りなく近づくための努力をすることが必要だと思います。
まとめ
アメリカで俳優として活躍するために必要な英語力
◆ リーディング力
◆ リスニング力
◆ スピーキング力
以上全てにおいて、ネイティブ並の高いレベルが要求される。
アメリカで俳優として活動する方法
→ 英語が未熟でも活動できる。
英語力が重視されない仕事に積極的に挑戦
例)エキストラ、モデル、日本人の役など
長期的な視点に立って、英語力の向上とともに、俳優としてのキャリアをステップアップさせていく。
ご精読ありがとうございました。